”これは経費で落ちません”原作を読む ⑦!沙名子一筋の太陽に近づいてきた樹菜!

沙名子と太陽が、アクアラインの駐車場を歩いている時だった・・・

「あれっ、太陽くん?」声をかけられて立ち止まると男女の二人組がいた。
「太陽くんの彼女さん?」声をかけたのは女性の方で、明るく可愛らしい感じの女の子。
「う、うん。まあ、そう」と言いつつ太陽は沙名子をみたが、沙名子は否定しなかった。

「そうなんだ、よかったね。そりゃ太陽くんだもの、彼女途切れなくて当たり前だよね。会社の人?奇麗な人だよね!でも年上なの?なんで?」
「樹菜(じゅな)、邪魔したら駄目だろう。ほら、行くぞ」
まだ喋り続けそうな女の子を、連れの男性がたしなめると引っ張って歩き始める。

太陽は、大学時代の後輩だよと言う。女の子は樹菜(じゅな)と言うらしい。いかにも太陽の友達っぽく可愛いと思いながら、”彼女さんなんだ、わたし・・・”  沙名子は心の中でつぶやいた。

今日はクリスマス・・・沙名子と太陽は千葉のアクアラインにきた。以前、六本木の展望台に行った時、沙名子がアクアラインが好きだと知った太陽が、暖かい格好で、車を借りて行こうなと話していたのだ。

レンタカー代、食事代、その他もろもろ太陽が払ってくれた。太陽の給料やボーナス全てを知っている沙名子は、心苦しい思いがあったが、デートのマニュアルを見ると、こういう時は払わせておけと記されていたので、半分払うよと言いたくなる気持ちを抑えたのだ。

青木祐子さんの「これは経費で落ちません」。
原作は「1巻」~「6巻」。1巻あたり4話で構成されていますが、5巻だけが5話まであり合計25話。

ドラマとは別物・・・原作に沿う形で、沙名子と太陽の恋に特化して追いかけてる。

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沙名子から手作りチョコが貰える!週末が待ち遠しい太陽!

太陽からメールが入った。
”2月の前半は忙しいのでバレンタインの週に、買い物をして美味しいものでも食べよう”
太陽はチョコレート欲しいのかな・・・なんて考えていると太陽から2度目のメール。
”沙名子さん、チョコレートくれるよね!俺、手作りOKだからさ”

わたしはOKじゃないよ・・・と沙名子は思う。しかし、げんなりしながらも、決して嫌ではないのが不思議だ。思わせぶりではなく、きちんと希望を伝えてくるのが、太陽のいいところなのだから。

”太陽は手造りチョコレートが食べたいのか・・・”
味覚は人それぞれ違うので、沙名子は自分が作ったものを他人に食べさせるのは好きじゃない。作れないとは思わないけれど、店で買うケーキのように美味しくはならないと思う。もっとも、太陽のことだから、何を作っても美味しいと言いながら食べるかも知れない。

しかし、太陽が楽しみにしているのなら、作らないわけにはいかないだろうと思う。チョコレートの作り方について毎日、通勤電車の中で検索していたが、いろいろ調べた結果、ケーキやブラウニーはハードルが高すぎるようだ。

一番簡単そうなのが、チョコレートと生クリームで造るトリュフだった。失敗も少ないようだ。しかし一度は、練習に作ってみる必要があるので、週末の家事が2回分潰れてしまうことになる。それも、太陽のためだから仕方ないか・・・と思う。

”チョコレートの件はOK です。お会いした時・・・来週の土曜日にわたします”
沙名子からメールを受け取った太陽は思わずガッポーズ! バレンタインデーに会う約束をした時、チョコレートくれるよね、俺さ、手造りOKだからとメールしたら、”保留”の返事が来ていたから。
来週の土曜日、太陽は沙名子から手作りのチョコレートを貰えるのだ。

仕事中はメールを禁止されているし、平日の連絡は朝か退社後で、通勤途中が多い。
だから太陽は、ふたりでいる時間を大切にしている。

沙名子は、奇麗なものや美味しいものが大好きで、時々変なことで悩んだりする。予想外のことには弱いし、褒めるとほんのり赤くなり、驚くと無言になってしまう。そんな沙名子を、とても可愛いと思う。

間もなくバレンタインデーだから、太陽のバックの中にはチョコレートが3箱入っている。インテリアデザイナーの曽根崎メリーさんと、あとはパラカフェの女性従業員達がくれたものだ。曽根崎メリーさんのは高級チョコレートである。

沙名子さんは今度こそ部屋に来てくれるかな・・・なんて考えながら社用車を走らせる太陽。早く週末が来てくれるといいなと思う。週末が待ち遠しいなんて思うのは生まれて初めてかも知れない。

沙名子の早退に太陽はびっくり!樹菜のメール既読にしたことを後悔!

太陽は最近、以前よりまめに伝票処理を心がけていた。
沙名子に嫌われたくなかったのと、少しでも多く沙名子に会いたい気持ちがあったから。
いつものように経理部に入った太陽は、沙名子の姿がないのでがっかり。

「森若さんなら、早退しましたよ」佐々木真由が声をかけた。
「早退って・・・なんで?」
「急に体調悪くなって・・・珍しいですよね」真由も沈みがちな声で言う。

経理部を出た太陽は4階への階段を駆け上がり、途中の踊り場で止まるとメールを入れた。
”沙名子さん、早退したって?大丈夫?”
”ありがとう、大丈夫。今病院出て来たところ。大したことなかったけど、今日はゆっくりする”
即返事が来たので安心したが、何だったのかと気にかかる。

その時、未読のLINEが2つあるのに気がついた。新井樹菜からで、時間があったら話を聞いて欲しいと言う内容だった。太陽は既読をつけたことを後悔する。

樹菜は元カノの後輩だった。元カノとは自然消滅してから3年になる。そう言えば元カノが言ってた「樹菜はちょっと面倒くさい子なんだよね」と。その後太陽が樹菜にあったのは去年のクリスマス。沙名子と出かけたアクアラインの駐車場で偶然出会った。それだけだ。

”ごめんね、俺、今週は忙しくてさ”と返したら、”彼氏と上手くいってないだけ。落ち着いたらまた二人でお酒飲もうね”とLINEきた。また二人でって、俺は樹菜と酒なんか飲んだことねえよと思いつつ、”彼氏と仲直りしろよ。バレンタインだしな”と返信した。

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早退した沙名子は実家に戻っていた。
「あんたもいい年なんだから、彼氏がいたら言いなさいよ。あんたが選んだ人なら、お父さんもお母さんもウエルカムだから」母の言葉に「何言ってるのよ」と言い返したいのだが、目の前に太陽の顔がちらついて言葉が出てこない。

沙名子は思う。太陽の優しさは癖になる。頼もしいのに決して威張らない男なのだ。太陽には、もっと明るくて友達の沢山いる年下の女の子が似合いそうなのに、なぜ沙名子を好きなのかわからない。

”あっ、駄目だ、何かストレスになってきた” と思った時、バックの中でスマホが鳴った。太陽からだ。
「沙名子さん大丈夫?どうした?」
「大丈夫よ、ちょっと湿疹ができちゃったの」
電話の向こう側で、太陽が安堵の息をしたのが伝わってきた。

「湿疹で良かった。もっとひどいのかと思った。今週は会わない方がいいのかな」
「それくらいは大丈夫だと思う」
「無理すんなよ。何かあったらメールして。電話でもいいよ。俺、今日は飲まないから」
「ありがとう」

電話が切れたスマホを見つめながら思った。”わたしは太陽が好きだ。認めないわけにはいかない。去年の今ごろは、おしゃべりで図々しい営業部員だと思っていたのに、どうしてこうなったのか”

まとめ

沙名子に関しては、病気ではなく湿疹ができただけとわかり一安心。残っている仕事を片付けようとしたところに、樹菜からLINEが来た。太陽は本当に後悔した。樹菜のLINEを既読にしたことを。

”さっきからずっと泣きっぱなしなの。10分でいいから会えないでしょうか。太陽くんの会社近くのファミレスにいます。仕事が終わるまで待っています”

樹菜は、相手の都合も聞かず、いきなり会社近くのファミレスにやってきて、仕事が終わるまで待っているからなんて・・・他人に迷惑をかけてる意識がない女の子らしい。

太陽は呪う。何でこんな時に、何で俺なんだ、何で沙名子さんがいる時なんだ・・・しかし優しい太陽は、泣いている女性をそのままにはできず、ファミレスで樹菜の話を聞いている。

どうやら彼氏が浮気をしているらしく、手作りのチョコも渡せそうにないから、太陽に貰ってくれないかと言う。「まだ早いよ。浮気かどうか、もう一度確認した方がいいよ」と諭した。

樹菜も多少元気が出てきたので、もう終わりかと思っていたら、お酒が飲みたいと言う。
「俺、今日飲めないんだ。大事な連絡があるかもしれないから。食事もいらない」
「そうなんだ、忙しい時にごめんね」

その時スマホが鳴り、沙名子からだったのでびっくりした!今まで沙名子から電話をかけてくるなんて一度もなかったから!あわててスマホを手に持ち出入り口に急いだ。

「沙名子さん、何かあった?!」
「ううん。今、実家からこっちに戻って来たの。もう、仕事終わったかと思ってかけてみた」
「俺、今外なんだ。すぐに帰ればよかったなあ」
「特に用事があるわけじゃないの。ちょっと声を聞きたかっただけ。切るね」

”ちょっと声を聞きたかっただけ” だって! 嬉しさに太陽は舞い上がったが、既に電話は切れていた。

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