小泉孝太郎主演 ”病院の治し方”4話!救急システム変更事業の大赤字 副頭取が承認!

24時間365日、全ての患者を受け入れる救急医療がスタートして何日か過ぎたある日・・・

帝王切開のオペ(手術)予定が入っているのに、担当の野林医師は何処にもいなかった。
携帯も電源を切っていて繋がらないと言う。

「野林先生の自宅は病院の近くでしたよね。住所を教えて下さい。様子を見てきます」
野林医師の住所を確認した事務長の倉島亮介が病院の外へ出ると、広い庭の向こう側にあるベンチに、野林医師が座っているのが見えた。

「野林先生、ここでしたか・・・帝王切開のオペ、もうすぐはじまりますよ。さ、戻りましょう」
倉島亮介が声をかけると野林医師は、沈んだ声で、つぶやくように語り始めた。

「何度も思い出すんです。子供が・・・救急患者が次々来て、緊急搬送されてきた胎盤剥離の妊婦の緊急オペが・・・」野林医師の脳裏には、救急車で運ばれてきた妊婦の、緊急手術時の映像がくっきりと残っているらしい。

『自発呼吸は!』『まだです。気道確保して呼吸識別します』その時のやり取りも耳から離れないらしく、「産声が、中々わからなくて・・・何か一つ違ってて・・・赤ちゃんは蘇生しなかった・・・助ける自信がありません・・・」野林医師は涙声で語った。
「わかりました・・・少し休んで、ゆっくり考えましょう」

修平と看護師長が駆けつけたので、倉島亮介が言った。
「院長に相談しましょう・・・ねっ!」
「無理です・・・ここではもう、やっていけません・・・」

♦呼吸識別:患者が発する特徴的な呼吸音(ギャスピング音)を聞き分けるように訓練した機械学習アルゴリズムを利用するらしいのですが・・・詳しくはわかりません。

落ち込む野林医師を自宅迄送り届けたと言う倉島亮介が、修平に告げた。
「どうしても辞めたいそうですよ。一人で小児科を支えるのは自分には無理だと・・・頑張って欲しいとは言えませんでした・・・」
「僕の責任です。話し合う時間を作らなかった。事務長から言われていたのに・・・野林先生との面談を後回しにしてしまったんです!僕が、追い詰めたんです・・・」修平は自分を攻めたが、もう取り返しがつかない。

小児科医の野林医師が辞めてから10日経っても、代わりの医師は見つからず、困り果てた産科の医師が「代わりの医師はどうなっているのか」と、院長室に怒鳴り込んできた。

「月に60件以上とっているお産の内、高齢の出産や難産が予想されるものが半分、産院や助産院から転院してくるハイリスクの妊婦が二割!問題なく順調に進んでいるお産でも、いつ何が起きるかわからないんです!とにかく、リスクを抱えた妊婦は、大学病院に移ってもらいます。いいですね」

無念の思いを噛み締めながら修平はうなずいた。
「わかりました。母子の安全を最優先して下さい!」

事務長の倉島亮介の説明では「今迄は、ドクター2人と看護師8人、助産師6人。この陣容で月60件ほどのお産を扱っていましたが、常に入院室は満室で、ほぼ7日で回転。収益率は高く、有原総合病院の柱となっていました」

しかし、小児科医の野林医師が辞めしまい、新しい医師が見つからないため、産科医は「リスクを避けるために、お産は月に6件から10件にしたい」と言う。しかし看護師8人、助産師6人を抱えていては大赤字になるため、産科を閉めるかどうするか・・・決断を迫られていました。

小児科医の野林医師が辞職したことで、いろいろ気がつき、産科の存続が問われる中で、産科についての勉強も始めた有原修平は、24時間救急システムを変えていく必要性を感じていくのです。

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ナースを専門産院で修行させる!24時間救急システムを根本的に変更!

問題は、看護師8人と助産師6人を抱えている中で、お産の数を6件から10件に絞れば大赤字が発生。そこで、幹部会議の結果、産科を閉めるかどうするか・・・決断を迫られていました。

事務長の倉島亮介が産科を閉める試算をだしましたが、修平は「産科は辞めるつもりはありません。しばらくの間は、リスクの高い場合は大学病院に回して、10件以内におさえることにします」と。
「人員を減らして規模を縮小するんですか。その場合も試算してみましたが・・・」と倉島亮介。

「人員削減なんて辞めましょう」修平の言葉に砂岡武雄が聞いた。
「お産の数へらすんですよね。余剰人員はどうするんです?」
「ビックチャンスだと捉えて、手の空いた人には修行に出てもらいましょう」

修平は産院について色々勉強していました。二人に書籍を見せながら説明した上で、
「うちの産院は技術は高いが、心配(こころくば)りができていなかった。看護師と助産師には専門の産院で研修して、ノウハウを学んできてもらいましょう」と言う。

「こちらの都合に合わせて、引き受けたり戻したりしてくれる病院があるのでしょうか」倉島亮介が心配すると、修平はこともなげに言った。「何とかなりますよ。給料は、うちで払うんですから」「ええっ!」倉島亮介が驚く。

修平は「今季は赤字になりますが、ナースが学んできたノウハウで、産科のバリューが上がれば ”有原病院で生みたい” と言う妊婦さんが増え、将来的には増収になります」と。さらに24時間救急について、システムを根本から作り変えなければならないと言うのだ。

「救急専門医を雇い入れて、緊急診療部を独立させようと思います」
「経営状態が上向いてきた今、銀行はさらなる期待をしています。こんな時に銀行が莫大な赤字を許すと思いますか!一つの診療科を守って、病院全体が悪化したら本末転倒です!」
修平の話に、経営を倉島亮介は強い口調で反論。

しかし修平は「24時間救急は病院の柱です。撤退は出来ません。しかし医師や看護師に無理を強いる今のやり方では、また野林先生のように、追い込まれる人を出しかねない。そこで・・・」

そこで・・・と、修平が説明したのは「北米ER型」と呼ばれている救急システムのことでした。
「ER型救急外来・・・救急専門医が一人で、どんな患者でもまず診察を行います。重症度を判定して、必要に応じて専門医に電話で指示を仰ぎ、より高度な治療が必要な時だけ専門医が来院して治療にあたると言う仕組みです」

患者からすれば適切な初期対応が受けられ、必要に応じて専門家の診察も受けられる。また、病院勤務の専門医も、不必要に夜中に呼ばれることが減るので負担が減少する。

救急専門医は、軽症者はそのまま帰宅させるので専門医の手を煩わせない。
初期対応の後で入院が必要な患者は専門医に引き継ぐ。
重症患者には蘇生を行いながら専門診療チームとともに活動する。

修平の説明は続きます。「医者もナースも3交代制で回すだけで、病棟や外来の診療を一切しません。このやり方を確立すれば、より少ない人数でもっと効率的に、24時間救急を回すことが出来ないでしょうか。救急医からの問い合わせや、呼び出しに応じてくれるドクターには月額いくらかの上乗せ報酬を支払いましょう」

「インセンティブが得られれば、ドクターも協力する気が起きるかも知れませんね」
砂岡武雄もうなずく。
「野林先生のことがあって、ようやく気がついたんです。患者に選ばれる病院になることばかり考え、現場で働く人たちの方を向いていなかった・・・良い病院とは、そこで働く医者や看護師たちから、選ばれるところでなければならないのに」修平の言葉には深い後悔が込められていました。

システム変更構想の大赤字を副頭取は今季限りとして承認!

「人員を削減すれば赤字は減らせます。でも、経営の都合でリストラをすれば信頼関係が失われ、転職する人たちも出る。人材こそが財産の病院にとって、これは大きな損失なんです。事務長、何とか銀行の理解を得られないでしょうか」

修平の言葉に倉島亮介は驚愕しながら「む・無理です!地方銀行にそんな余裕ありません!収益を挙げなければ、銀行だって破綻するんです!生き残りがかかってるんですよ。融資先も当然、すぐに結果を出すことを求められます」声を張り上げた。

「今日種をまいても、明日花が咲くわけじゃありません・・・でも、種をまかなければ何時まで経っても、花は咲かないんです!」修平は倉島亮介の机の前に立ち顔を見つめながら言った。

「倉島さん、今・・・なんですよ!今、何をするかで病院の未来が決まるんです!!」
全身全霊で語りかける修平の言葉からは、情熱がほとばしり、倉島亮介はのけぞりそうになるほど圧倒され、驚愕の表情で聞いていたように見えた。

それから間もなくのこと・・・
有原総合病院の事務長・倉島亮介は、信甲斐銀行の副頭取・米田正光のデスクの前に立っていました。
米田正光は、倉島亮介が提出した有原病院の事業計画書類を真剣に見ています。

米田正光のデスクの側にいた桐山常務が言った。
「つまり、大幅な下方修正で赤字になることを見逃して欲しいと言うことか」
「ハイ。ただ赤字とは言っても将来に向けての戦略的なもので、業績不振や放漫経営によるものではないことをお伝えしようと思いました」
「経営を悪化させるために、君は、わざわざ銀行を退職して、病院に転職したのか」と桐山常務。

「今季の赤字については申し訳ありません!この事業計画は、産科を閉鎖したり、救急医療を縮小したりするより、遥かに大きなリターンをもたらすものと考えています」
「甘いな! 院長は君が古巣に行けば何とかなるとたかをくくっているんだろ!」
桐山常務は辛辣だ。
「いえ、そんなことは・・・」

その時「倉島くん」米田正光が呼びかけて立ち上がる。
そして移動してソファーに座リながら言った。

「病院においては赤字経営になることもあるだろう。ただ、経営再建の途上にある有原病院においては、複数年度の赤字は到底認められない!」
「承知しております。あくまでも今年度のみと考えております」
「院長も、その決意でいるのかね」
「はい。もちろん!」
「わかった!では、この事業計画をすすめるといい!」副頭取・米田正光が認めてくれた。

驚いた桐山常務が言う。
「副頭取!それでは圧迫経営の融資先に手心を加えることになります!行内で問題になります」
「コンセンサスはわたしが取る。銀行の経営責任を担うものとしての立場で、みすみす損をするような投資はしない!あくまでも、この事業計画に勝算ありと判断してのことだ!」と言い切る。

「君は、わたしの判断に狂いがあるというのかね」
米田正光は桐山常務の正面に立つと、そう問いかけた。
「それは・・・」
返答できない桐山常務に背を向けると倉島亮介に向き合い、
「倉島くん」
「はい」
「我々が最終的に見るのは、あくまでも経営数値だ!早々に計画を実行し、来年度には結果を出すように!いいね」
「ハイッ」倉島亮介は深々と頭を下げた。

丁度午前の診療が終わった修平のところに、砂岡武雄がやってきて「倉島さんから連絡がありました」と言う。急いで椅子から立ち上がッた修平は、まるで裁判の判決でも聞くように、ややうつむきながら聞いた「何て、言ってました・・・」

”承認してもらえないかも”と言う不安があったのでしょうか・・・いつもポシティブな修平にしては暗い表情でしたが、砂岡武雄が大きく○を作ると笑みがこぼれた。「副頭取の了解を得たそうです!やりました!」砂岡武雄の言葉に「よっし!」修平はグッと拳を握りしめて大喜び!

そこへ、江口智也が甲府医科大学病院からの封書を届けに来た。
「あやなちゃんの結果だな。ありがとう」

立ち去ろうとする江口智也を呼び止めた修平は、「この前はきつい言い方をして悪かったね。仕事が過密なのはよく分かってる。負担が減らせるよう改善していくから、もうしばらく辛抱してくれるかな」「ハイ」思いがけない修平からの言葉に、びっくりした江口智也はバインダーの束につまずきながら出ていく。

甲府医科大学病院からの診察結果は、修平の診断通りで、来週カテーテルの手術をやることも記されていた。

実は何日か前・・・あやなちゃんは学校で気分が悪くなり早退。母親の勤務先のスーパーへやってきたのです。胸を抑えて「ここがカムカする」と言うあやなちゃんに、「一人で行ける?」仕事を抜けられない母親が問う。

丁度その場に、修平の妻・志保が居合わせ「有原病院ならわたしが一緒に行くよ」と言い、修平のところに連れて行った。診察した結果、心臓の一部に小さな穴が空いているのを確認した修平は、仕事を終えて駆けつけた母親に、手術をしなくてもカテーテルを入れることで改善すると説明。

修平は、心臓カテーテル手術においては誰にも負けない技術を持つ名医なのに、有原病院には心臓カテーテル手術が出来る設備が整っていないため、甲府医科大学病院宛に紹介状を書き、あやなちゃんの母親に持たせた。そして今日、甲府医科大学病院から、あやなちゃんの診察結果が届いたのだ。

副頭取・米田正光の教え!5本の指を一つにすることとは?

第3話の後半・・・でした。
倉島亮介が銀行を退職したことを受けて、副頭取の米田正光を尋ねた有原修平。
副頭取が、倉島亮介の移籍を許してくれたことに感謝すると共に、「引き抜く」形になってしまったことを深く謝罪しました。

「彼なら君のいい相棒になると思っていたけど、銀行辞めるとは、流石に想定外だった」と豪快に笑う米田正光。引き抜く形になったことを謝罪する修平に、「まっ、彼が入れ込むのもわからなくはない。半年ちょっとで経理数値は確実に上向いたからね」と言う。

「でも、以前がひどすぎただけ友言えます」修平は米田正光に向き合った。
「経費削減にしろ、人事制度の見直しにしろ、野放図に過ぎたのを戻しただけです」
「まだ、その様子を消しただけということか」
「難しいのはこれからです。診療報酬が改定されるたびに病院の収益は減る一方です。厚労省は病院の数を減らすことに本格的に舵を切ったようです」
「いよいよ選別と淘汰が始まるということか!」
「やっと形が整ったばかりの病院には、厳しい環境の中を生き残っていくだけのパワーが、まだ足りません」

修平の言葉に米田正光は、5本の指を指し示しながら、
「パワーか・・・修平くん、指はどっちを向いている」
「指・・・上ですか?」
「5本とも上を向いているが、それぞれ向きがちがうだろう。最初の差は小さいが、先へ行くほど別々の方向に向かってしまう。君の病院は今、こんな状態にあるんじゃないかな・・・5本の指が合わさって、一人ひとりのベクトルが同じ方向を向いた時、組織は最大のパワーを発揮する!」

「実はこの話、君のお父上の受け売りなんだよ」と米田正光は笑った。
「今で言う、チーム医療を大事にしていた。病院全体が一つになって事にあたるとき、最高の医療を発揮できると言っていた」

「難しいのはね、この5本の指を一つに束ねること。そのために、君のお父上は、無謀とも思える速さで病院の規模を拡大していった。なぜだか分かるかね」
今ひとつ、意味が理解できず神妙な面持ちの修平に問いかけた米田正光。

「緊張感を失ってしまえば、指はバラバラに離れる。だからすぐに半歩でも前にすすみ続ける。無理をすると当然苦しい。だけど前に進もうと必死にもがいた特チームは結束して最大の力を発揮する。5本の指を一つにまとめること。それがこれから君がやるべき仕事だ!」
「ハイッ」とかしこまる修平に米原は「うん、うん」とうなづく。

5本の指を一つにまとめる・・・のは容易なことではない・・・
病院に戻った修平は、いつも5本の指を見ながら考えているようでした。

そして修平は、反対勢力を何とか抑えて、24時間365日、すべての患者を受け入れる救急医療をスタートさせましたが、時間に関わりなく飛び込んでくる救急車、一分一秒を争う緊急手術など、それはもう、言葉では言い尽くせない程の凄さ・・・

そんな中で、冒頭に出てきた野林医師が辞職する事態になってしまったのですが・・・

まとめ

大赤字となる有原病院の事業計画を、「今季限りだ!」と承認してくれた副頭取・米田正光。

それから半年後・・・
有原病院の産科は「マタニティテラピー」を取り入れ、待合室は、妊婦と幼い子供たちで溢れかえっていました。手が空いた看護師や助産婦が専門産院で修行をしてきた効果が現れ、たちまち大評判となったのです。

修平が熱望した「ER型」の24時間救急医療も、間もなくスタート出来る見通しが立ちましたが、「減収、減益にも関わらず人件費と諸経費の増大で、その結果がこれです」事務長の倉島亮介が差し出した計算書には、赤字が5億3千7百万円以上にも膨れ上がっていました。

倉島亮介は重い声で告げる。「言うまでもありませんが、病院の赤字が許されるのは今年度限り。来季も赤字が続くようなら、病院の持続可能性は失われると思って下さい!」

「産科と24時間救急がフル稼働すれば、今後はかなりの収益が見込めるとは思いますが・・・」
「でも、それだけでは、とても足りないな!」と言う修平。
倉島亮介はうなづきながら言った。
「ハイ。無駄な経費はギリギリまで削減した後での赤字がこれですし・・・」

ところが修平は、倉島亮介の言葉を聞いていなかったのか「心臓カテーテル室も作りたいんです!」と言うのだ。「はあ?!」唖然とする倉島亮介に「救急対応レベルを強化するためには「ICU」を整理しなくてはいけないし、「MRI」も最新の高解像のものに切りかえたいんです」と。

「銀行の融資を繋ぎ止めることが、どれだけ困難なことか・・・」つぶやくように言葉を絞り出した倉島亮介は、鬼の形相で、修平のデスクを叩き「あなたは分かってない!今は、夢物語で暴走する余裕など微塵もないんですっ!!!」

ここで4話は終了・・・

でもこれって、実話なんですよ。
次々と暴走計画をたてる有原修平の情熱の凄さ!
銀行を退職して飛び込んだ倉島亮介の苦労も、筆舌には尽くせないほどの凄さでしょう!

そして、何よりも凄いのは、大赤字の事業計画に「勝算あり!」と、GOサインを出した銀行の副頭取・米田正光の度胸!米田正光のGOサインがなければ、病院の未来はなかってのですから。

このあと、どのような展開になっていくのかドキドキです。

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